学会発表を終える

 土曜日、某女子大での学会発表のため、自転車で神保町へ。発表を無事に終えて後、如水館で懇親会。事務局を某旧帝大に置き、ほとんどがそこ出身者で構成された学会なので、昭和一桁生まれの長老や、定年間際の責任者を中心としてほとんど同窓会の雰囲気。その中に一人部外者の20代の学生と言うことで、気を遣わせてしまった感じだ・・・。それでも、学会誌編集委員の准教授に投稿を求められ名詞交換出来たのは、懇親会をすっぽかした以前とは大違いの成長だった。でも、学会投稿はこれが最後になるだろうな・・・・。
 帰路、学会を紹介してくれた大学の助教と神保町の“ラドリオ”でココアを一杯。別れて後、一人で古書モールなどに寄り均一100円本を物色。発表後の緊張の緩みか、いつもだったら買わない本まで買ってしまった・・・。それでも6冊=600円だけど。

 清水高志の本は「ロマン主義と批評」の章が目当て、他、島田裕巳以下の本は、中沢新一を中心とした80年代スピリチュアル・ブームの検証が目当て。同著者の『中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて』は、恐らくその前に四方田の『先生と私』を読んでいたからだろうけど、情報としては興味深かったが、内容としては、もっと80年代という時代を書けただろうという不満もあった。が、今回拾った本は同時代の対談本だ。東大・宗教学研究室(柳川啓一研究室)を中心としたニュー・エイジ運動がいかに危なかったかが実地に読みとれるかも知れない。
 夜は、久しぶりにカワサキと待ち合わせて、“亀の湯”へ。論文書いている時も、投稿論文に失敗した時も、そして、学会発表を終えた今日も、いつも同じく“亀の湯”の高い天井をぼんやりと見ている気がする。何をやっても、自分に必要な「人間」や「生活」は動かない。結局いつも、ここに帰ってくるんだろうな・・・。