久しぶりの春樹

daily-komagome2007-11-15

 10時頃までごろごろ寝ていたものだから、レジュメを作るにも、集中して勉強するにも中途半端な時間になってしまう。といった理由で、久しぶりに夫婦で駒込駅付近の散歩へ。ブックステーションで二冊。

 その後、ドトールで珈琲を啜りながら、村上春樹『スプートニックの恋人』を一時間ほど読む。謎の振り方と、その持って回した心理描写の上手さに引っ張られる。しかもその探偵小説的に散りばめられた謎が、どうでもいい「外部」の宝探しの形を取るのではなく、「言葉(=頭)と身体(=性欲)の関係」「私の喪失の真実」、そして「他者との齟齬と和解」などの“哲学的モチーフ”を巡っていて、ビルディング・ロマンスの定型を、登場人物の繊細な感性と80年代以降のリアリティによって担おうっていうんだから、まぁ、文学質な人間を掴んで離さないだろうなぁ・・・と思う。もちろん、「世界は、そんなに自覚的に、そして余裕を持って生きている人間ばかりで構成されているわけではない!」といった思いの中で、鼻につく人物描写に躓いたり、その地域的=歴史的固有性としての「日本の記憶」を引きずらないコスモポリタニズム的世界観の抽象性に違和を感じることは多々ある。が、しかしそれにも拘わらず、「物語(寓話)」と「描写(内省)」とのバランスが、つくづく上手いんだなぁと、唸ってしまった。一度読み出しったら止められない・・・・残すは後100頁。
 帰宅後、昼食を取ってすぐに仕事へ。今日は4コマ+残勉1時間半。で12時前に帰宅。