金欠につき、本を控えねば

 夏期講習もを終わり、やっと論文が一段落したという気持ちのゆるみが出たのだろう、今週末の休みも後先を考えずに本を買ってしまう。

 土曜日は、白山のブックマートと、千駄木の古書ほうろうで、三冊

 で、昨日の日曜日は都電に乗って鬼子母神へ。嫁用の橋川文三『日本浪漫派批判序説』(講談社文芸文庫)を買いにジュンク堂へ。
 そして、帰路はもちろん往来座へ立ち寄り、自分用に三冊。

 で、今日は論文の手直しのために巣鴨の喫茶店へ。それで、その帰路、誠文堂書店に立ち寄って新刊本棚を眺めていると、ちょうど一年くらい前にロレンスを追っていた頃から欲しかったが、絶版となって以降とんと見かけなくなっていた高山宏『近代文化史入門−超英文学講義』が文庫化されているのを発見。新刊だし、少々高かったのだが、ここは目をつぶって購入を決する。
 これは、以前講談社メチエから出ていた『奇想天外・英文学講義−シェイクスピアから「ホームズ」へ』の文庫化なのだが、いつもの高山節=奇想の英文学史・文化史を学べるのと同時に、二〇世紀の紆余曲折してきた英文学“研究史”にもなっていて、この情報の洪水が読み物としてなんとも面白い。まだ、半分くらいしか読んでいないけど高山が言うように、この“超”英文学史こそ文学研究の正統でなければならないのだろう。四方田犬彦の『先生と私』を読んだ手前、由良君美『椿説泰西浪漫派文学談議』直系の高山宏の仕事は是非と見届けておきたい。